にゃこめしの食材博物記

YouTubeチャンネル「古代ローマ食堂へようこそ」の中の人のブログ。古代ローマの食文化についての記事を中心に、様々な歴史や食文化について調べて書いているブログです。

古代ローマ料理『アピキウスの豆のスープ』を再現しようとしてちょっと違うものになってしまった話

古代ローマの美食家、アピキウス。

その謎に満ちたレシピ集、『料理帳』。

今回もその中から比較的材料が手に入りやすいレシピを選んで古代ローマの食事を再現してみます。

 

最初に白状しておきますが、今回は事前の資料の調べ方が不足していて、ちょっと違うものになってしまいました。

 

参考文献のレシピ

今回、参考にした本は『おいしい古代ローマ物語 アピキウスの料理帳』という本です。

この本のレシピは材料の代用品や調理の手順など具体的に書いてあるので、とにかく古代ローマ料理っぽいものを作ってみたいという人にはおすすめです。

しかし、アレンジされたレシピになっているので、アピキウスのレシピそのままという訳ではありません。

あと、レシピ通りではうまくいかない部分が多々ありますので、適当に調節しながら作りました。このあたりの感覚は料理に慣れていないとわからないところですね…

とりあえず、本に載っていたままのレシピを引用しておきます。

豆のスープ ミネストローネ風(173)

材料と分量(4人分)

  • 大麦 200g
  • 豆類 全部で200g
  • 水 1000ccくらい
  • 塩 小さじ2
  • オリーブオイル 50cc
  • ネギ、フェンネル、クレソン、あればマロウなどの野菜 各少々
  • ディルとコリアンダー 少々
  • キャベツの芯 適宜

作り方

  1. 大麦を、水に浸してやわらかくしておく。
  2. レンズ豆、ヒヨコ豆、インゲン豆など色とりどりの豆をやわらかくした大麦と一緒に水煮する。
  3. 途中で塩を加え、豆がよく煮えたら、オリーブ油を加える。そこへ、ネギ、フェンネル(下茎)、クレソンなどの野菜を加え、さっと煮る
  4. 香りづけに、ディルとコリアンダーを散らし、火からおろす。
  5. 別にボイルしたキャベツの芯を細切りにして、上に散らして飾る

作ってみる

まず、レシピに書かれていませんが、乾燥豆を使う場合は必ず前日から豆を水に浸けておく必要があります。今回はヒヨコ豆とインゲン豆を用意しました。

ヒヨコ豆とインゲン豆は下ゆでが必要です。それぞれゆで時間も違うので、別々に下ゆでしなければいけません…。

そして、ゆでてしまってから気づいたのですが、インゲン豆はアメリカ大陸の原産でした。古代ローマに存在するワケないですよね。

それに、どう考えても豆の量が多かった!f:id:nyakomeshi:20220312120930j:image

大麦は麦ごはん用の押し麦を使ったので水に浸けておく工程は省きました。こちらも、レシピでは200gとありましたが、どう考えても多すぎます! 結局、80gにしておきましたが、水1000ccでは足りず、あと500ccほど足しています。

 

塩は、小さじ1で十分でした。水は足しているのに。この辺りは好みもあるかと思いますが。

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野菜が入るスペースが無くなって来ましたが、無理矢理入れます。フェンネルをちゃんと用意しました。

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今回、ディルは粉末。刻んだコリアンダーとキャベツの芯を載せて出来上がりです。f:id:nyakomeshi:20220312121227j:image

試食とお味レポート

気になるお味は…予想以上に美味しい!

このスープにはコンソメや鶏ガラスープなどの出汁になるものが一切入っていません。味付けは塩のみなので、正直、期待していませんでした。ですが、ネギやフェンネルが出汁に似た役割を果たし、味のベースとなってくれていました。

刻んだコリアンダーやディルはシャキッと鼻に抜けるような、華やかな香りを演出します。

大麦から出るとろみが全体を一つにまとめる役割をしています。

アピキウスのレシピ、原点とは少々違うものになりましたが、古代ローマの風味程度は味わえたかな、と思います。

 

反省と次回の課題

今回の最大の失敗は、インゲン豆を使ってしまった事だと思っています。インゲン豆はアメリカ大陸原産です。古代ローマにあるはずのない食材です。

それにしても、アレンジされていないレシピではどうなっていたのでしょう。気になったので調べてみることにしました。

 

今回参考にした本『おいしい古代ローマ物語 アピキウスの料理帳』のアピキウスのレシピは、アメリカの研究者JOSEPH DOMMERS VEHLINGさんの『COOKERY AND DINING IN IMPERIAL ROME』という英語の本を元にしている、と記されていました。

そこで、英語ですが『COOKERY AND DINING IN IMPERIAL ROME』の方に書かれた元のレシピを調べてみることにしました。

 

インゲン豆は使われておらず、“pea”たぶんエンドウ豆?となっていました。

そして、一番大きな違いは、豆類が“crush”されている、おそらく挽き割りになっている言葉です。

全体は野菜とハーブの入ったお粥のような仕上がりになるようです。

 

次回は、こちらのレシピに従って作ってみたいと思います。

もっと古代ローマを身近に感じたい!

 

 

参考文献

おいしい古代ローマ物語アピキウスの料理帳

上田和子著 原書房

 

COOKERY AND DINING IN IMPERIAL ROME

Apicius著 Joseph Dommers Vehling編

 

古代ローマの料理「アスパラガスのパティナ」を再現してみた

古代ローマのレシピ集であり、謎に満ちた奇書でもある「アピキウスの料理帳」(アピシウスとも)。

↓アピキウスって誰だ?料理帳って何だ?と思われた方はこちらをお読みください。


古代ローマの美食家アピキウスの話 - にゃこめしの食材博物記

 

 

そこに記されたレシピの中で、現在でも作りやすいものは「アスパラガスのパティナ」という料理だと思われます。

材料は比較的、手に入りやすい物です。揃えにくい材料は代用が可能です。

それでは、レシピを見ていきましょう。

 

古代から伝わるレシピを読み解く

今回参考にしたのは「古代ローマの饗宴」という本。

アスパラガスのパティナ 『料理書』4,2,6

普通は捨ててしまうアスパラガスの茎を、こね鉢に入れてすりつぶし、葡萄酒を入れて裏ごしする。胡椒、ラヴィッジ、コリアンダーの葉、セイヴォリー、玉葱をすりつぶし、葡萄酒、リクァーメン、油を入れて混ぜ合わせる。こうしてできたピューレを、油を塗った平鍋に移しかえる。火にかけるとき、好みで、割りほぐした卵をつなぎに加える。焼きあがったら胡椒をふり、食卓にだす。

古代の文献ゆえ、分量や火加減などが書かれていません。葡萄酒は赤なのか白なのか。魔法の呪文のような不思議な響きの調味料やハーブ類。さらに、卵は「好みで」となっていますが、卵を入れなくては固まりません。これに関しては文献にも

卵がないとつなぎの役を果たすものがない。その場合にはせいぜいスープのようなものとして供したのであろう。

と書かれています。今回は卵を入れて作ることにします。

もう一つ、参考にした本が「COOKERY AND DINING IN INPERIAL ROME」という本です。英語ですが、電子書籍なら100円前後で読むことができます。そこにも同じメニューが書かれているので確認します。

[133]ANOTHER ASPARAGUS CUSTARD ALIA PATINA DE ASPARAGIS

ASPARAGUS PIE IS MADE LIKE THIS [1] PUT IN THE MORTAR ASPARAGUS TIPS [2] CRUSH PEPPER, LOVAGE, GREEN CORIANDER, SAVORY AND ONIONS; CRUSH, DILUTE WITH WINE, BROTH AND OIL. PUT THIS IN A WELL-GREASED PAN, AND, IF YOU LIKE, ADD WHILE ON THE FIRE SOME BEATEN EGGS TO IT TO THICKEN IT, COOK [without boiling the eggs] AND SPRINKLE WITH VERY FINE PEPPER.

ほぼ同じ内容となっています。冒頭にANOTHERと書かれているのは違うバリエーションの、アスパラガスのパティナのレシピがいくつか書かれているためです。ここでBROTH(だし)と書かれているものは、先の文献ではリクァーメンとなっています。

ちなみに、パティナというのは料理の種類や特定の調理法ではありません。調べてみると、平皿や平鍋ぐらいの意味のようです。

手に入りにくい材料と代用品

ラヴィッジとは、セリ科のハーブです。和名はラベージのため、検索する場合は「ラベージ」の表記にすると得られる情報が多くなります。アピキウスの料理帳にはラヴィッジがしょっちゅう登場します。日本でいうと…何にでも刻みネギを添えるような感じかな…。今回は同じセリ科のサラダ用セロリで代用します。イタリアンパセリでも良いと思います。

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セイヴォリーとはシソ科キダチハッカ属のハーブです。すっきりとした芳香が特徴なのだそう。ネットで買うこともできるようですが、今回はシソ科イブキジャコウソウ属のハーブ、タイム(粉末)で代用します。こちらもすっきりとした芳香が特徴です。

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リクァーメンとは、古代ローマの魚醤のような調味料です。今回は日本の魚醤である、能登半島の「サバのいしる」で代用します。同じく日本の魚醤の「しょっつる」もしくは東南アジアの魚醤、「ナンプラー」でも良いと思います。

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葡萄酒に関しては、赤なのか白なのか全く書かれていません。古代ローマの葡萄酒は今のワインよりずっと甘い飲み物で、そのまま飲むのではなく、水で薄めて飲むものでした。なので、今回は酒精強化ワインを使いました。なければ甘口の白ワインで。f:id:nyakomeshi:20220305025201j:image

現代風レシピ

材料

では、作っていきましょう!

  1. アスパラガスは根本の硬い部分を1〜2cmほど切り落とし、ピーラーで下半分の硬い皮をむいておく。鍋にお湯を沸かし、アスパラガスをゆでる。
  2. ゆであがったアスパラガスは穂先を切り落とし(最後の飾りに使います。余ったぶんはそのまま食べたり別の料理などに。)根本の方はすりつぶしやすいように3〜4等分に切る
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  3. すべての材料をミキサーに入れ、滑らかになるまですり潰す。(現代風のこね鉢(笑))
  4. グラタン皿にオリーブオイルを塗り(分量外)、3を注ぎます。(けっこうシャパシャパです。味見をしてみると、この時点で美味しい)
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  5. 170℃に予熱しておいたオーブンに入れ、焦げていないか時々確認しながら15分程焼きます。焼きあがったら好みで胡椒をふり、アスパラガスの穂先を飾ります
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食べてみた

卵がふわふわに焼き上がり、まるでスフレのようです。口に入れると、ふんわり、シュワシュワと溶けていきます。

アスパラガスの味にハーブの青い香りがプラスされて、とても風味豊かです。魚醤の味はわれわれ日本人にとっても大変親しみやすい味です。

全体的に素朴ですが、ハーブが効いていてオシャレなお味でした。

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古代ローマから伝わるアピキウスの料理帳のこの料理。大変美味しくいただきました。

皇帝達や軍人、元老院の政治家たちもこのような料理を食べていたかもしれません。ちょっとだけ彼らにお近づきになれたようで、ワクワクした晩ごはんでした。

参考文献/HP

古代ローマの饗宴
エウジェニア・サルツァ・プリーナ・リコッティ著 武谷なおみ訳 平凡社

COOKERY AND DINING IN INPERIAL ROME
Apicius著 JOSEPH DOMMERS VEHLING編集

https://www.online-latin-dictionary.com

 

 

 

いろんなスープに麦を入れるのを全力でオススメする話

どうも、にゃこめしです。

最近体重が気になります。体調管理の強い味方は野菜スープなのですが、もう少しお腹に溜まるものが食べたい時は、スープに麦を入れるのがおすすめです。

スープ全体に優しいとろみがつくので、満足感が増し、体も温まります。

 

使うのは市販の、麦ごはん用の大麦。人参、玉ねぎを軽く炒めたら麦と水を投入。f:id:nyakomeshi:20220219123431j:image

後は煮込むだけです。人参や玉ねぎが煮える頃には、麦もすっかり柔らかくなっています。

味付けは何でも大丈夫です。

↓これはコンソメ味に仕上げたカナリオ豆と麦のスープ。
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↓これはトマト缶を投入した麦入り野菜スープ。

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↓これは和風だしで仕上げた麦入り春キャベツのスープ。

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麦を入れる事で食物繊維も多くなるので、体調管理の強い味方です。
ぜひ、お試しあれ!

干し竹の子の話

どうも、にゃこめしです。

本日はコロナがまだ発生する前、熊本へ行った時に購入した干したけのこを料理したいと思います。(乾物なので賞味期限は…ちょっと過ぎてたけど大丈夫(笑))

ちなみに私は、筍を料理した事はあっても、干したけのこは初めてでした。

カラカラに乾いて軽く、見た目は何かの工芸品のようです。

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袋から出したらこんな感じです。
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これを一晩、たっぷりの水に浸けてもどします。しんねりと柔らかくなりました。しかし、なかなか繊維質なのが気になります。

これを切って煮付けます。パッケージの説明書には「一口大に切る」とだけ書いてありました。
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なので、3種類の切り方を試してみることにしました。

左から順に、一口大にぶつ切りにしたもの、繊維に沿って縦に切ったもの、繊維を直角に断つように横に細切りしたものです。
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これを酒、みりん、醤油で甘辛く味付けし、軽く煮詰めてつくだ煮にしました。f:id:nyakomeshi:20220218133206j:image

なかなか面白い食感です。

歯ごたえは、しんねり、ぷっつり、とした感じです。昆布をもう少し強いような歯ざわりです。繊維は見た目に硬くて筋ばっているようにみえましたが、驚くほど気になりませんでした。

切り方によっての食感の違いもありました。

一番食べやすいのはやはり、繊維を断つように横に細かく切ったものでした。

反対に、繊維に沿って縦に切ったものは、少々硬さが気になりました。この切り方は失敗のようです。

大きめに切ったものは、意外にも繊維が気になりません。しっかりと食べごたえがあります。面白い食感を存分に味わいたいときは、この切り方が良さそうです。

今回はつくだ煮にしましたが、また今度干したけのこが手に入ったら、鶏皮と一緒にこってり炊いたり、五目ご飯やちらし寿司に入れたりして、いろいろ楽しみたいと思います。

あと、中華風に鶏ガラスープや味覇と醤油で濃い目の味付けにするのも楽しそうです。ラーメンに乗せたい気分。

おつまみにも良さそうです。

ルイ16世のコロッケを作ってみた話

どうも、にゃこめしです。

ルイ16世のコロッケ』というレシピを海外のサイトで発見したので、作ってみる事にしました。

ベルサイユ宮殿でこの料理が食べられていた…かは分かりませんが、ルイ16世とジャガイモは切っても切れない関係にあります。この時代にはすでにコロッケ(クロケット)という料理も存在はしていたので、もしかしたら…。ルイ16世パルマンティエの開いたジャガイモづくしの晩餐会にはこんな一品が出されたかもしれません。マリー・アントワネット様も食べていたかも?

ルイ16世とジャガイモについての話はこちらから↓


ルイ16世とジャガイモの話 - にゃこめしの食材博物記

尚、調味料等、分量が「少々」となっている部分はお好みで調節していただければと思います。目安として小さじ1/2程度の量を想定しております。

 

材料(4人前)

  • ジャガイモ900g(中5個程度)
  • バター20g
  • 粉チーズ(できればパルメザン)100g
  • 卵黄1個
  • 白コショウ(粉)少々
  • ナツメグ 少々
  • 塩 小さじ1/2
  • 小麦粉 適量(衣)
  • パン粉 適量(衣)
  • 卵 1個(衣)
  • パセリ お好みで
  1. ジャガイモの皮を剥き4つに切り、水にさらします。鍋にたっぷりの水を張り、ジャガイモと塩(分量外)を入れて火にかけます。
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  2. ジャガイモに火が通ったらざるに上げて水けを切ります。別の鍋にジャガイモとバターを入れて、ごく弱火で加熱しながらつぶして混ぜます。
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  3. ジャガイモが潰れたら火を止め、熱いうちに粉チーズ、卵黄1個、白コショウ、ナツメグ、塩小さじ1/2を入れ、滑らかになるまでよく混ぜます。
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  4. 粗熱が取れたらいくつかに分けて丸め、形を整えます。
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  5. 小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけます。
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  6. フライパンに1cm程の深さに油を張り、温めます。コロッケを入れ、黄金色になるまで転がしながら揚げ焼きにします。
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  7. お皿に盛り付け、お好みでパセリを散らして下さい。
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フランスではコロッケ(クロケット)の形は俵型に仕上げる事が多いようです。参考HPではまん丸のボール型に仕上げていました。もちろん、日本でお馴染みの小判型に仕上げても構いません。お好みの形に仕上げて下さい。

気になるお味はというと……

サクッと、もっちり、ねっとり、とろ〜り!

 

思った以上にリッチなお味でした。たっぷり入れたパルメザンチーズが効いてます。卵黄とバターのコクが口中に広がります。ジャガイモの風味も存分に味わえます。

甘しょっぱくてお肉の入った日本のコロッケとは全然別のお料理といった雰囲気です。

ご飯はもちろん、ビールやワインのお供に相性バツグンです!

本日は、キリッと冷やしたスパークリングの白ワインと一緒にいただきました!

 

参考HP

Nobility and Analogous Traditional Elites
In the Allocutions of pius Ⅻより
https://nobility.org/2012/10/recipe-louis-xvi-marie-antoinette-potato/

 

Finding Loversより
https://www.finedininglovers.com/recipes/side/potato-croquettes

 

 

黒いナイルティラピアと上皇様の話

どうも、にゃこめしです。

前回のブログでは赤いナイルティラピアを食べた話をしました。

今日は黒いナイルティラピアについてです。

 

時代は1964年末、魚類学者でもある上皇様(当時は皇太子殿下)はタイ王国を訪れた際、農村の食糧難を救う手立てとして、ティラピアの養殖を進めました。

そして翌年、日本で養殖されたティラピア50匹がプミポン国王(当時)へ送られました。

その50匹のティラピアは繁殖させて一万匹にまで増やされ、各地の水産試験場へ送られました。

そして今では、タイ料理に欠かせない食材となっています。

 

タイでは明仁内親王(現・上皇様)にちなんで、ティラピアはプラーニンという名前で呼ばれています。

 

ティラピアを食べてみて思ったのは、あのコクのある味は、タイ料理の甘辛いソースやスパイスにぴったり合うだろうという事です。

いつか、タイへ旅行して、本場のプラーニン料理を食べてみたいものです。

 

参考HP

朝日新聞デジタルより

タイが愛する陛下の魚 半世紀で養殖拡大、今や国民食

https://www.asahi.com/amp/articles/

 

ジルティラピア(セント・ピーターズ・フィッシュ)とマトウダイの話はこちらから↓


マトウダイと聖ペテロの話 - にゃこめしの食材博物記

 

 

赤いナイルティラピアを食べた話

どうも、にゃこめしです。

ベトナム食材の店でティラピアを買いました。姿のまま、しっかりと真空、冷凍されています。

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ティラピアというのは、一種類の魚を指す言葉ではなく、主にカワスズメ科などの淡水性食用魚、数種類をまとめてこう呼びます。

 

世界中で養殖されている重要な食用魚で、特に東南アジアでの養殖が盛んです。

日本に導入されたのは主に三種類で、

です。

この中でもナイルティラピアは見栄えの良い赤い個体が養殖されています。検索すると生きている時の写真がたくさん見られますが、まるで金魚のような鮮やかさです。

今回購入したこの子も、おそらくナイルティラピアだと思われます。

解凍しました。

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ウロコと内蔵はキレイに処理されていました。

ティラピアは雑食性の魚です。動物性のエサも、植物性のエサも、何でも食べます。

雑食性や藻食性の魚は、時々内臓から独特の匂いを発する事があります。私が購入したこのティラピアも例にもれず、腹腔内から少し独特の風味が感じられました。

もちろん、鮮度が落ちた匂いではありませんので、大丈夫です。三枚におろして、腹骨を取り除けば綺麗な白身が残ります。

それに、雑食や藻食性の魚は、肉食性の魚とは脂の乗り方も身の質も違います。加熱してもホロホロでジューシーで、本当においしいものが多いです。

それでは、美しい白身をご覧下さい。f:id:nyakomeshi:20220206120434j:image

脂がのった白身は、西京漬けにしました。

コクのある身と西京味噌の組み合わせは抜群です。ホロホロ、ジューシーで、ご飯がいくらでも進みます。

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頭と腹骨の部分は酒蒸しにしました。臭みは微塵も感じられません。

プリプリとした弾力のある食感がたまりません。脂には鶏肉に似たコクがあります。


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隅々まで、大変美味しく頂きました。

今度またティラピアを購入したら、鶏肉にも似たコクのある白身を生かして、唐揚げにするのも美味しそうです。