「かぼちゃよかぼちゃ、かぼちゃさん。馬車になって私を素敵な王子様の所へ連れて行っておくれ」
プリンセスは言いました。
するとかぼちゃは答えました。
「無理。」
プリンセスは髪を振り乱し、斧を掴むとかぼちゃ目がけて振り下ろしました。
あわれなかぼちゃは真っ二つ。
プリンセスはそのままかぼちゃを一口サイズに切り刻み、出汁と砂糖みりん醤油で味付けし、一切れ残らず食べてしまいましたとさ。
今日は冬至です。
嬉しすぎて、謎の昔話を捏造してしまいました。こんな話、どこにも伝わっておりません。
私は冬至が大好きでして、個人的にはクリスマスよりもおめでたいと感じているくらいです。
これまで日を追うごとに短くなっていった日照時間が、今日を折り返し地点に少しずつ長くなっていきます。
現在の暦の上では節目でもなく、何だか中途半端な日付けだし、祝日でもありません。
ですが、大自然の感覚でいえば一年の始まり(もしくは終わりかその両方)だと思うのです。
古代世界では太陽を神として、大いなる自然の力を敬う信仰が多くありました。当然、夏至と冬至は重要な日となったはずです。
いろいろな儀式や風習があった事でしょう。
それに伴う特別な食べ物や飲み物もあった事でしょう。
そのいくつかは歴史に埋もれて姿を消し、またそのいくつかは姿を変えつつ現在にも伝わっているはずです。
そういった事をいろいろ調べていきたいと思いつつ、まだ調べていません。
今日はとりあえず、現在日本では定番となっている風習にしたがって、かぼちゃを食べて柚子湯に浸かります。