「1切れ、2切れ、3切れ、4切れ」。
何と読みますか?
「ひときれ、ふたきれ、みきれ、よきれ」
でしょうか?それとも、
「いちきれ、にきれ、さんきれ、よんきれ」
でしょうか。
お造りや漬物の盛り合わせなどは、人数に合わせて何切れずつにするかお客様に確認する事があります。
その時、帰ってくるお答えはほとんどが
「いちきれ、にきれ、さんきれ、よんきれ」
の数え方です。
私はちょっと古い人間なのでしょうか?
とくに「1切れ、2切れ」を「いちきれ、にきれ」と読むことに抵抗があります。
しかし、ご注文をお伺いしていると、ほとんどの方は「にきれ」と読む派のようです。
そして、「3切れ」を「みきれ」と言うと、うまく会話が通じないこともしばしば。
「にきれ」と聞き間違える可能性も高いです。
注文の取り間違いはいけませんから、私は普段から数を確認する時は
「ひときれ、ふたきれ、さんきれ、よんきれ」
と聞き間違いが一番少ないであろう読み方を使っております。
そういえば、古き良き昭和のドラマ『寺内貫太郎一家』ではこんなシーンがありました。
ちゃぶ台を囲んで皆がご飯を食べている真ん中に、たくあん漬けのお皿。
一家の息子・周平(西城秀樹)がたくあんに手を伸ばすと、
「一切れ(ひときれ)は人切れみたいで演技が悪いからいけません」とおかあさん(加藤治子)。
ならば、と周平(西城秀樹)が三切れまとめて取ると、
「三切れ(みきれ)は身切れみたいで良くない」とおばあちゃん(樹木希林)。
一切れは「人切れ」、三切れは「身切れ」。
ちなみに四切れは四が死を連想させ、「死着れ」となるのでこれまた縁起が悪いそうです。
五切れだと大抵の場合は多すぎるので、
選択肢、二切れしか無いじゃん(笑)
昭和の時代にはこんな事を言われて育った世代もいるのですが、現代はそんな感覚も無くなっているでしょう。
「いちきれ、にきれ、さんきれ」と読む若い世代の方には、何を言っているのかわからない話かもしれませんね。
ちなみに「最近の若い者はけしからん」みたいな話をしたいわけではありません。
言葉は変化してゆくものですから。
どう変化してきたか、どう変化してゆくのか、を楽しみたいと思います。
数の読み方は世代によってどれくらい違うのか、地域差はあるのか、
まだまだとても気になるところです。
参考HP
https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0087/