にゃこめしの食材博物記

YouTubeチャンネル「古代ローマ食堂へようこそ」の中の人のブログ。古代ローマの食文化についての記事を中心に、様々な歴史や食文化について調べて書いているブログです。

よしな(みず、ウワバミソウ)のムカゴの話

どうも、にゃこめしです。

本日の珍しい食材は…よしなのムカゴです!

よしなは、山の渓流や沢などの水が綺麗で湿潤な環境に生えている山菜です。

標準和名はウワバミソウといい、イラクサ科の多年草です。「よしな」というのは長野県や新潟県あたりの呼び名で、東北地方では「みず」と呼ばれます。

春〜夏は茎の部分を食べますが、秋になると茎にたくさんのムカゴがつきます。
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むかごの大きさは小豆粒〜大豆くらい。

茎を抱え込むようについています。
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分かりやすく広げてみると、こんな感じです。↓

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実は、このよしなのムカゴは下処理が済んだ状態で売られています。生えている時の姿はどうだったかというと…


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このように、

一つの節に葉が一枚と根本にムカゴ一つがついています。中には根が出ているものも。これが節ごとに切れ、ムカゴで繁殖します。

この可愛らしい小豆色のムカゴですが、さっとお湯に潜らせると、あざやかな緑色に変わります。
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鍋に熱湯を沸かし、塩を小さじ1入れ、よしなをいれると、一分ほどでみるみる色が変わってきます。ムカゴが緑色になったら、すぐに引き上げて冷水にとります。

アクがほとんどない山菜なので、それだけですぐに食べられます。

 

ドレッシングやポン酢をかけてもよいし、マヨネーズでも。私はお浸しにしました。

包丁で細かく叩いて粘りを出したものは「みずとろろ」といいます。ご飯に乗せたりお酒のアテに、美味しいですよ!

浅漬けも美味しいです。下の写真は青森県のお漬け物です。

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シャッキリした歯ごたえとぬるぬる食感、一年中食べたいと思ってしまうような、よしなのムカゴでした。

 

参考文献

原色日本植物図鑑 保育社

 

今回はよしな(みず・ウワバミソウ)のムカゴの話でした。長芋・山芋のムカゴの話はこちら↓