にゃこめしの食材博物記

YouTubeチャンネル「古代ローマ食堂へようこそ」の中の人のブログ。古代ローマの食文化についての記事を中心に、様々な歴史や食文化について調べて書いているブログです。

古代ローマの質素な昼食

古代ローマの人々は午前中に仕事を済ませ、午後は軽く昼食をとった後、少し昼寝をしたり、広場や公共浴場などで過ごす、という生活パターンの人が多かったようです。

朝食と同じように、昼食もまた軽く済ませるのが普通でした。
というのも、古代ローマでは一日の中で一番重要な食事は夕食で、朝食や昼食は夕食までもたせる為の軽食という意味合いが強かったようです。

夕食はケーナと呼ばれていました。
ちなみに朝食はイエンタクルム、昼食はプランディウムです。
(遅めの朝食もプランディウムと呼ばれることがあった)

古い時代には一番重要な食事であるケーナはちょうど昼食の時間帯にとったとされています。しかし、時代と共にケーナは3時から4時頃の夕食の時間帯になったといわれています。
さて、簡単な昼食、プランディウムでよく食べられていた食事はどんなものだったのでしょうか。
朝食の習慣についてかいた記事でもご紹介した『学童の一日』という資料の続きを引用してみましょう。

(前略)先生は昼食のためにぼくたちを解放しました。
解放された後で、ぼくは家に帰りました。
ぼくは着物を替え、白いパンをいくらかと、オリーブと、チーズと、干しイチジクと、木の実を食べました。
ぼくは冷たい水を飲みました。
昼食の後で、ぼくは学校に戻りました。

質素な昼食をとる様子が分かります。
昼食には他にも豆のスープや麦のお粥、卵料理、干しブドウなどがよく食べられていました。人によっては肉料理や魚料理を食べることもありました。

また、家で質素な食事をとる他に、古代ローマの街中には手軽に食事をとれる飲食店が多数存在していました。
昼食を外食で済ませる人も多かったようです。

次回の記事では古代ローマの飲食店について紹介していきたいと思います。


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