パトロヌスとは保護者と訳されますが、親分といったほうが分かりやすいかもしれません。古代ローマでは貴族などお金と権力を持っている人が平民達の生活を援助し、面倒を見ていました。
その代わりにクリエンティスと呼ばれる被保護者、つまり子分にあたる人達は選挙の際に自分のパトロヌスを援護したり、必要に応じて外出の際にお供したりとパトロヌスに対して忠誠を示さなくてはなりません。
このパトロヌスとクリエンティスの関係は古代ローマの社会構造の中で重要な要素となっていました。
さて、クリエンティスは毎朝パトロヌスに対する忠誠を示すため、朝の挨拶に向かいます。すると、パトロヌスからは贈り物を受け取ることができました。
スポルトゥラといわれるその贈り物は小さな籠にパンや果物、ワインやチーズなどが詰め合わされたものでした。
クリエンティスは無料の食事にありつくことができたのです。
スポルトゥラはそのまま朝食に食べても良いし、持って帰ったり、家族と分けることもできました。
また、街頭で売ったり交換してもよかったそうです。