にゃこめしの食材博物記

YouTubeチャンネル「古代ローマ食堂へようこそ」の中の人のブログ。古代ローマの食文化についての記事を中心に、様々な歴史や食文化について調べて書いているブログです。

サザナミヤッコを食べる

鹿児島・枕崎からサザナミヤッコが届きました。南の温かい海の魚、といった感じです。サンゴ礁が似合います。水族館の人気者。

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幼魚と成魚は模様がまったく違います。幼魚はその美しさから海水魚を飼育する人達には人気者なのだとか。しかし、大きくなるんですね、この魚。今回は大きい方が35cmぐらいでした。

見てください、この歯。f:id:nyakomeshi:20210719132323j:image

エラ蓋の棘も鋭いです。f:id:nyakomeshi:20210719132341j:image

事前にネット上でサザナミヤッコの基本情報や、食べた人のブログなどを調べましたが、臭いが強くて食べられないという意見が散見されました。

一方で、沖縄では食用とされており、美味しいという情報も。

 

こういう魚こそ、腕の見せ所です。

幸い、鮮度はバツグンの状態で手元に届いております。

それでは、捌いていきましょう!

(サザナミヤッコを可愛がって飼育されている方々は、以下閲覧注意となります。ご了承下さい。)

 

 

ウロコは少し固いですが、普通のウロコ引き(百均)を使って剥がせます。手を保護する為と、魚をしっかり掴むための手袋は必須アイテムです。

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肛門から包丁を入れ、お腹を裂きます。次に頭の付け根から包丁を入れ、頭を外します。

鮮度や個体差によりますが、藻食性の魚の内蔵は、臭いが強い場合があります。このサザナミヤッコの内蔵もなかなか強い臭いがしておりました。

内蔵を傷付けないように、慎重に、しかし手早く作業しなくてはなりません。

見事なウズマキ状の内蔵をしておりました。この魚が雑食性でありながらも、藻食性に特化した身体を持っていることが伺いしれます。

 

三枚におろします。
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腹骨や頭は美味しい部位なので、普段は食べるのですが、今回はさすがに臭いが強すぎるで諦めました。

肝心の身の方は…

大丈夫!

きっちりとした温度管理で届いた事、そして手早い処理が功を奏しました!

あとは、残った臭いを感じさせないよう調味料を選んで調理します。

さて、どんな料理になったかというと…

 

まずは柚子こしょう焼です。f:id:nyakomeshi:20210720011942j:image

お次は味噌煮。

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そして、カレースパイス風味のソテー。

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いずれも臭みは全く感じません。

それよりも特筆すべきは身の食感の良さです。脂がのってホックリとした食感はなんとも素晴らしいです。例えるなら、イシダイ?身の厚いホッケ?それともスズキ?

 

結論として、サザナミヤッコはしっかり温度管理して、手早く処理すれば大変美味しい魚です。

臭い魚としてレッテルを貼ってしまうには、あまりにも勿体なく、あまりにも美味しい。この美味しさをお届け出来なくて残念ですが、写真を見て美味しそうだな、と思って下さった方々、どうぞ悔しがって頂ければ幸いにございます。