エンダイブを手に入れたので、本日はエンダイブとチコリーについてのお話。
エンダイブ/チコリとは?
エンダイブとは、見た目は結球しないタイプのリーフレタスに似た野菜です。チリチリ、クルクルとカールした葉が特徴です。
チコリーは日本では軟白栽培された芽の部分が出回ることが多いため、形は小さな白菜みたいな形です。色は薄い緑の他に、鮮やかな赤紫の物もあります。
時々、リーフレタスのような形をした品種のチコリーも市場に出回ることがありますが、まだまだ珍しい存在です。
どちらもレタスと同じキク科の野菜ですが、レタスがアキノノゲシ属なのに対して、チコリやエンダイブはタンポポ亜科キクニガナ属というグループに属します。
ほろ苦い風味が魅力的。
洗って生のままサラダなどにします。
チコリとエンダイブの名前―英語とフランス語の混乱―
エンダイブというのは英語の呼び方です。日本では“きくちしゃ”又は“にがちしゃ”という和名もありますが、エンダイブという呼び方が一番メジャーなようです。
ところが、このエンダイブ(endive)、フランスではシコレー(chicorée)といいます。
では、チコリ(chicory)はフランス語でどう言うのかというと…アンディーブ(endive)と言います。
そう、英語とフランス語では呼び方が逆になっているのです。混乱してしまいそうですね。
美味しんぼの茶番劇
アノ国民的グルメ漫画、美味しんぼにもチコリとエンダイブをネタにした回があります。
フランス在住のモブ女「これがアンディーブでこれがシコレー」
モブ男「そうか」
↓
帰国したモブ男「アンディーブ美味しい」
周囲「君ィ、それはチコリーだよ」
モブ男「シコレー美味しい」
周囲「これはエンダイブだよ、わっはっは」
↓
モブ男「恥かいた、君は嘘を教えたんだな」
モブ女「ひどいわ」
↓
山岡、栗田登場、
なんだかんだで、元鞘
こんな感じの茶番劇が繰り広げられます(笑)
チコリとエンダイブの名前は古代エジプトとギリシャでも混乱していた?
このエンダイブとチコリ、レタスと並んで歴史の古い野菜です。古代エジプトや古代ギリシャでも食べられていたという記録が残っています。
古代ギリシアの著述家が残したいくつかの記述には、そのことがはっきりと記されている。
「…エジプト人は、野生のチコリをアンディーブと呼んでいる。この野菜は栽培される場合には、セリスと呼び変えられ、大きいもの小さいもの、葉の多いもの、少ないものなどさまざまな種類がある…」
「…エジプトチコリと呼ばれる野生のアンディーブがある…」
「エジプトではタロイモの次に尊ばれているのはチコリである。これは野生のアンディーブのことである。これはとても頑丈な野菜で、ロープでしばることもできる…」
何かもう…紀元前の時点で既に混乱しています。
まとめ
チコリーとエンダイブの名前はイギリスとフランスでは逆になり、混乱してしまいそうですね。
現代日本では、「珍しいカタカナ語、言える俺カコイイ」と思う人が多いようで、「チコリ」というのが一般的になってきたと思えば
「アンディーブ」と言える俺カコイイ
などと思っちゃう人も多いようです(笑)
商標も様々。
まだまだ混乱は収まりそうにありません。
↓岡山県産
↓割に大きかった
↓サラダにしました