前回にの記事に引き続き、今回も古代ローマのヒョウタン料理を再現してみたいと思います。
古代ローマではヒョウタンの仲間はククルビタ(cucurbita)と呼ばれ、若い実は食用に、成熟した実の外皮はお酒の容器などに利用されてきました。
残念ながら食用ヒョウタンが手に入りませんので3種類のウリ科の野菜を使います。
古代ローマから現代に伝わるレシピ集、『アピキウスの料理書』にはクミンソースで仕上げるヒョウタン料理のレシピが記載されています。
古代のレシピゆえ、材料の分量も詳しい調理手順も書かれていません。料理人の解釈により出来上がる料理が変わってきます。
このブログでは私が作るとどうなったのか、という視点でお読みいただければと思います。
材料
- ズッキーニ、冬瓜、白瓜など 適量
- コショウ 少々
- セロリの葉(ラヴィッジの代用) 10g
- パセリ 10g
- 乾燥ミント 少々(1g程度)
- クミン 5g(大さじ1)
- 蜂蜜 大さじ2
- ワインビネガー 50㏄
- お好みの魚醤(リクァーメンの代用)50㏄
参考文献は材料の記録だけで調理方法が示されていませんので、あとの工程はいつものパターンだと仮定してソースを作ります。
- 蜂蜜以外の材料をミキサーに入れすり潰したら鍋に移します。
- 蜂蜜を加え、よく混ぜながらひと煮立ちさせたらソースの完成です。
- 冬瓜は適当な大きさに切り分けて皮を剥き、8mmくらいの厚さにスライスします。白瓜も皮を剥き8mmくらいの厚さにスライスし、真ん中の種とワタをスプーンでくりぬいて取り除きます。ズッキーニは皮を剥く必要はないので、洗って同じ厚さに切っておきます。
- 鍋にお湯を沸かし、ウリ科の野菜達をサッと湯がきます。
この工程は必要かどうかわかりません。文献の料理の名前は「水煮して油で焼いたヒョウタン」なのに茹でるとは書いてありません。もしかしたら昔のヒョウタンはアク抜きが必要だったのかもしれません。 - 鍋に3を並べ、オリーブオイルを回しかけたら先ほどのクミンソースを注ぎ、火にかけます。火が通ったら完成です。お皿に盛り付けましょう。
さあ、試食してみましょう!
ハーブの青くフレッシュな香りとクミンの食欲をそそるスパイシーな香りが口いっぱいに広がります。
ビネガーの酸味と魚醤の旨味がハーブとスパイスのはじける様な香りをうまくまとめ上げています。
オリーブオイルを吸ってとろりとした甘みを増した野菜に強い味のソースがよく合い、とても満足感のある一品でした。
このクミンソースは肉や魚にもよく合います。
せっかくなので前回の記事で作った料理と一緒に並べてみました。
どちらもそれぞれ、美味しかったです。
夏もそろそろ終わり。
来年こそ食用ヒョウタンを手に入れて、より古代ローマ時代の料理に近いものを作りたいものです。
参考文献