どうも、にゃこめしです。
前回の記事では古代ローマの皇帝ウィテリウスの大食いエピソードをご紹介しました。
現代まで伝わる古代ローマのレシピ集『アピキウスの料理書』にはウィテリウスの名を冠した料理が3つ伝わっています。今回はそのうちの一つ、豆を使った料理を作って再現し、試食してみたいと思います。
なお、アピキウスの料理書には材料の分量も、詳しい調理手順も書かれていません。料理人によって少しづつ再現される料理が変わってきます。ご了承下さい。
エンドウ豆、又はソラマメのレシピということですが、今回はソラマメが手に入ったのでソラマメで作ろうと思います。
材料と手に入りにくい材料の代用品
- ソラ豆 鞘から外した状態で300g、冷凍ソラマメでも良い
- オリーブ油 大さじ4
- 固ゆで卵の黄身2つ
- セロリの葉 5g
- ショウガ5g
- しょっつる 大さじ1
- ワイン 大さじ1
- ワインビネガー 大さじ1
- 蜂蜜 15g
- 胡椒 少々
参考文献の中で、手に入りにくい材料はよく似た食材で代用しています。
ラヴィッジ(ラベージ)は別名、山のセロリと呼ばれるセロリとよく似た芳香と旨味を持つセリ科のハーブです。今回はセロリの葉5gで代用します。
リクァーメンは魚醤です。今回は秋田県のしょっつるで代用しています。ナンプラーや蜂蜜は3ウンキアとなぜかこれだけ分量が明記されているのですが、他の材料の分量は書かれていないので、今回は無視して15g用意しました。いしるなど別の魚醤でも代用可能です。
作り方
- 薄皮を剥きやすいようにソラマメのお尻の部分に切れ目を入れておきます。
- 沸騰したお湯に塩小さじ一杯を溶かし、ソラマメを入れて5分ゆでます。
普通に食べる時は2~3分で引き上げたほうが歯触りが良くて美味しいのですが、今回は潰して使うので少し長めにゆでます。 - 茹で上がったらザルに引き上げ、薄皮を剥いていきます。先程包丁で切れ目を入れておいたので、端をキュッと押さえるだけで簡単に中身が出てきます。
- 皮を剥いたソラマメをすりつぶします。今回はフードプロセッサーを使っていますが、すり鉢を使ってもできます。
固めのソラマメピューレができました。ソラマメを一旦置いておいて、ソース作りに取りかかりましょう。 - ソラマメとオリーブオイル以外の材料すべてをミキサーに入れ、滑らかになるまで攪拌します。
- 5を小鍋に移し、オリーブ油を加え弱火で加熱しながら、よく混ぜ合わせます。
ソースの出来上がりです。
- お皿にソラマメペーストを盛り付け、ソースと一緒に盛り付けます。
文献には詳しい調理手順は記されていないため、ソースはかけたのか混ぜたのかは不明です。今回はソラマメペーストにかける形で盛り付けました。 - お好みで蜂蜜(分量外)をトッピングして完成です。
味の感想
ソースの味は、とても親しみを覚える味です。何かに似ている…と考えたのですが、醤油マヨネーズに似ている、と思い当たりました。
そういえば、材料の卵とお酢と油って、マヨネーズの材料でしたね。
ウィテリウスが現在に生きていたら、マヨネーズ大好きだったかもしれません。
しかし、ただの醤油マヨではなくショウガとセロリのオシャレな風味が効いています。
上にかけた蜂蜜はソースともソラマメとも相性がよく、一緒に食べるとコクを加えてくれます。
すりつぶしたソラマメは豆の青い風味が心地良く、ソースともよく合います。ホクホクした食感はジャガイモのようです。
ジャガイモと醤油マヨネーズ…
今回の再現料理は全体的にポテトサラダのような雰囲気になってしまいました。
私の再現した料理が正解かどうかは誰にも分かりませんが、ウィテリウスが現在に生きていたらポテトサラダ大好きオジサンだったかもしれません。
参考文献/
『アピーキウス・古代ローマの料理書』
アピキウス他?著 ミュラ=ヨコタ宣子訳 三省堂