今日は豚の脳が手に入ったので、 豚の脳と卵を使ったパテを作りましょう。
これが豚の脳です。小型種の豚さんだったのか、 案外小さいですね。
こちらが参考文献であるアピキウスの『料理書』に書かれたレシピです。
ご覧の通り、アピキウスの料理書には材料の分量も、 詳しい調理手順も書かれていません。 料理人によって少しずつ再現される料理が変わってきます。
このブログは、私が作るとどうなるのか、 という視点でご覧いただければと思います。
尚、手に入りにくい材料は身近なもので代用しています。
今回はラヴィッジというハーブはセロリで、古代ローマの魚醤リクァーメンはサバのいしるで代用しております。
それでは、作ってみましょう!
材料
豚の脳 200g(今回は2個)
卵 2個
セロリの葉 10g
オレガノ 小さじ1
魚醤(サバのいしる) 小さじ2
- 沸騰したお湯に塩を入れ、豚の脳2個を下茹でします。 茹で上がった脳は適当な大きさにぶつ切りにしておきます。
- すべての材料(豚の脳、ハーブ・調味料、卵)をミキサーに入れ、滑らかになるまですり潰す
(料理書にはこね鉢(モルタリウム)を使うとありましたが、ミキサーを使います)
- フライパンに焦げ付き防止のクッキングシートを乗せ、ミ キサーにかけた材料を注ぎ、ヘラなどで平らに慣らします。 蓋をして弱火で5分程度、しっかり固まるまで加熱する。
- 粗熱が取れたら食べやすいサイズに切っておく
さて、 料理書にはこの料理に合わせるソースのレシピも書かれています。
こちらも作ってみます。
胡椒少々、ラヴィッジの代わりのセロリ10g、 オレガノ小さじ1に水100㏄を加え、ミキサーですり潰します。
よく混ぜ合わせたらソース鍋で煮立て、水で溶いた小麦粉でとろみをつければ完成です。
皆様、お気づきでしょうか?
ソースのレシピには調味料が一切書かれていません。 イヤな予感がいたします。
完成した脳のパテをお皿に盛り付け、
チャレンジしたい方のみソースを添えて完成です。
さぁ、試食してみましょう!
豚の脳自体はクセがなく、 魚の白子や木綿豆腐のように滑らかでクリーミーな味がします。 裏面がうっすら焼き色がつく程度に焼いたことで何ともよい香りが しています。
胡椒やハーブとの相性もバッチリです。
卵焼きとソーセージの間のような、 何とも不思議ですが親しみやすい味です。
卵は1個にしておいたほうが滑らかに仕上がったかもしれません。
問題はこちらのソースです。
マズイ、もう一杯! 青汁の味がします。
いやぁ、美味しくありません。
古代からレシピが伝わる過程で材料が抜け落ちてしまったのでしょ う。 魚醤と蜂蜜で味を整えれば食べられる味になったかもしれません。
しかし、 ソースがなくても脳のパテのほうは十分美味しく食べられます。
材料の調達以外は比較的簡単に作れますので、 是非作ってみて下さい。
参考文献/
『アピーキウス古代ローマの料理書』 ミュラ・ヨコタ宣子訳 三省堂