にゃこめしの食材博物記

YouTubeチャンネル「古代ローマ食堂へようこそ」の中の人のブログ。古代ローマの食文化についての記事を中心に、様々な歴史や食文化について調べて書いているブログです。

ししごろしという豆の話

どうも、にゃこめしです。先日、「ししごろし」という豆を見つけました。
兵庫県佐用の道の駅で売られていたものです。小粒でつやつやの黒い豆です。
似たような豆はこれまで見たことがありません。興味がわいたので、即購入しました。

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「ししごろし」とネットで検索しても、あまり情報がありません。

私と同じく佐用の道の駅でししごろしを購入された方が、「猪もびっくりするほど美味しい豆」と書いていたブログがありました。
しかし、その他の情報は分かりません。

果たして、この「ししごろし」とはどんな豆なのでしょう。

犯人は現場に戻る‥‥ではありませんが、ヒントはちゃんと売り場にありました。

「ししごろし」の下に(黒千石)と書いてあります。ししごろしとは、黒千石大豆のこの地域での呼び名のようです。f:id:nyakomeshi:20220531151729j:image

黒千石大豆は「幻の黒千石」などのキャッチコピーで呼ばれています。

もともと北海道の在来種で、昔から人間が食べる他、飼料や緑肥用の作物として栽培されていたそうです。
ところが、普通の大豆より栽培が難しいため、1970年代以降は栽培されなくなりました。いつしか、黒千石大豆という品種そのものが絶滅したと思われていました。

ところが2002年、研究者の手によりわずかに生き残っていた黒千石大豆が再発見されます。50粒の種からもう一度、黒千石大豆をよみがえらせる挑戦が始まります。
発芽したのは50粒のうち28粒。
そこから紆余曲折を経て、黒千石大豆は見事に復活を遂げました。
今では北海道を中心に各地で生産・栽培されています。

普通の黒大豆よりイソフラボンポリフェノールの含有量が高いため、近年は健康食品として注目が集まっているようです。

私がこの「ししごろし」こと黒千石大豆を買ったのは兵庫県佐用です。
兵庫県といえば、丹波篠山市を中心に、丹波黒大豆の一大生産地。大粒の丹波黒大豆に名物として前面に押し出されている「もち大豆」。数々の味噌や醤油。
そして、北海道出身の「ししごろし」こと黒千石大豆まで栽培してしまう。
兵庫県佐用の地域は本当に豆に対する造詣が深い地域なのだな、と思います。

さて、この「ししごろし」どうやって食べるのかというと、豆ごはんがおすすめのようです。

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『黒千石大豆』で検索しても、必ず豆ごはんや炊き込みご飯が出てきます。
早速作っていきましょう。

豆はあらかじめ水に漬けておいても、漬けておかなくてもどちらでも良いです。
水に浸しておくと、ご飯となじみの良いふっくらとした豆に仕上がります。
浸しておかない場合は、プチプチとした食感の雑穀米のような仕上がりになります。
お好みの方で作ってみてください。

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今回私は、5時間ほど浸水させました。
漬けておいた水が鮮やかな紫色になっています。f:id:nyakomeshi:20220531152015j:image

漬けておいた水ごと炊飯器に入れてから水加減を合わせます。
既にほんのり紫色です。水加減、炊飯器の設定共に普通の白ご飯と同じで大丈夫でした。
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炊きあがりすぐは色ムラがあります。
さっくり混ぜ合わせてしばらく蒸らすと色が均一になりました。

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気になるお味はというと、
お赤飯のようでもあり、黒豆の香りもします。ひきわり大豆と一緒に炊いたご飯にも似ているような気がします。
しっかりとした豆の風味と塩味が相まって、しみじみとしたおいしさです。
十六穀米などの雑穀系が好きな人は、ハマる味だとおもいます。

まだまだ沢山あるので、黒米や麦とミックスして、オリジナルの健康ご飯を試してみるのも楽しそうです。
弁当やおにぎりにもぴったりでした!
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参考HP

北竜町ポータル

黒千石大豆・黒千石事業協同組合

https://portal.hokuryu.info/kurosengoku/