どうも、にゃこめしです。
古代ローマの美食家アピキウスは大きなエビを求めて海を渡っても、満足なエビに出会えなかったという話を、前々回は書きました。
気になるのは満足のいくエビが手に入ったならアピキウスはどうやって食べるつもりだったのかという事です。
そこで古代ローマのエビ料理を再現して作ってみたいと思います。 参考文献は『アピーキウス古代ローマの料理書』三省堂ミュラ=ヨコタ宣子訳です。
ちなみにアピキウスの料理書には材料の分量も、詳しい調理手順も書かれていません。料理人によって少しづつ再現される料理が変わってきます。
ここでご紹介するレシピも「正解」ではなく、私的にはこうだったんじゃないかな~と思う「仮説」の一つとしてお読み頂ければと思います。
手に入りにくい材料の代用品
エゾネギというのはチャイブというアサツキに似たネギの事です。アサツキ、万能ネギなど細めのネギで代用します。
ラヴィッジというのは別名「山のセロリ」とも呼ばれるハーブです。ベビーセロリで代用します。
ナツメヤシ(デーツ)は手に入らなければ干し柿やレーズンで代用しても大丈夫だと思います。
濃縮葡萄汁は代用としてポートワインを大さじ2。なければみりんで代用します。
リクァーメンというのは魚醤の事です。いしる、しょっつる、ナンプラーなど今回は能登半島で買ったサバのいしるを使いました。
レシピ
材料
大エビ、イセエビ、ロブスターなど 1~2匹
ブラックタイガーなどで作る場合は 10匹ほど
細ネギ(万能ネギ、アサツキ、ワケギなど)50g
ベビーセロリ15g
干しナツメヤシ 2粒
オリーブ油 大4
赤ワイン 大3
酒精強化ワイン又はみりん大2
魚醤(いしる、しょっつる、ナンプラーなど)大3
ワインビネガー 大2
蜂蜜 大1
キャラウェイ ひとつまみ
クミン ひとつまみ
胡椒 少々
ソースから作っていきます。
1.細ネギ、ベビーセロリ、ナツメヤシをそれぞれみじん切りにしておきます。
2.フライパンにオリーブ油を入れて火にかけ、ネギを炒めます。焦げ付かないように弱火でじっくりと時間をかけて、色づくまで炒めます。
2.1で刻んでおいたセロリとナツメヤシを加え、さらにキャラウェイ、クミンを加えます。
3.さっと炒めたら赤ワイン、酒精強化ワイン、ワインビネガー、魚醤、蜂蜜を加えます。アルコールを飛ばし、胡椒で味を整えます
ソースができたら、エビを調理します。
4.エビは真水でさっと洗い背わたを取り除きます。
5.鍋にたっぷりと湯を沸かし、塩を小さじ二杯(分量外)ほど加えます。エビをまっすぐ仕上げたい方は串を打っておきます。
6.沸騰したお湯にエビを入れ、茹でます。3~4分でエビが赤くなり、上に浮き上がってきたら引き上げます。
7.熱いまま殻をむき、一口サイズに切り分けます。大エビ、イセエビなど頭も食べる場合は半分に割っておきます。
8.皿に盛り付け、ソースをかけたら完成です。
試食
特製ソースはじっくりと炒めたネギの旨味がたまりません。魚醤をベースにワインや蜂蜜で甘みをつけたソースは親しみがわく味です。
若干ウスターソースやお好みソースに似た味もしつつ、効かせたハーブがエキゾチックな雰囲気もかもし出しております。
クミンの食欲をそそる香りとキャラウェイの漢方薬を思わせるすっきりした香り、そしてセロリの風味。
大変美味しかったです。